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■現代奴隷医問答:残業230時間の医師に診てもらいたいか?

2009/04/25 23:19

 

 お医者さんって、案外、お金のことなんて二の次で、患者のことばっかり考えていると思いますが、ちょっとこのお二人の先生の対談を読んで考えてしまいました。

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日経メディカル誌連動
◇外科崩壊
外科医 師弟対談 幕内雅敏氏×高山忠利氏
「外科手術に技術料を認めよ」
日経メディカルオンライン 2009/04/22
 
─先生方は、「外科崩壊」といわれる現状をどのようにとらえていますか。

幕内 ここ数年の、外科を含めた勤務医の疲弊状況を、「医師不足」と関連付ける人がよくいますね。でも、それは現状分析がいい加減だと思います。全医師数は毎年増えているわけですから。
一般に、勤務医より開業医の方がいい生活を送れる。だから開業する人が増えて勤務医が少なくなり、残された人に大きな労働負荷がかかっているんです。

 診療科別に見ると、人数が減っているのは外科と救命科、そして産科ですね。これらの3つの診療科に共通するのは、勤務医が主に診療を担い、夜勤が多くて、生活が不規則なこと。それで待遇がほかの診療科と同じだから。それは数も減りますよ。

高山 うちの教室でも人数が減っていますね。外科はチーム医療ですから、医療水準をキープしながら難易度の高い手術に挑戦したいとなると、まず人手が必要なんです。でも、それができなくなりつつあります。

(中略)

高山 うちの教室の話ですが、昔は入局後10年目までは必ず在籍していたんです。開業するにしてもね。今は半数の人が入局後10年もたたないうちに辞めていくんですよ。

幕内 それは難しい手術をしようと思わなくなったんだろうね。開業したら1人で難しい手術なんてやらないし。だから簡単な、例えば切開とか、傷を縫ったりする、そういうレベルの外科しかやらなくなってるわけ。

高山 確かに、目指す目標のレベルが下がっている。それは感じますね。

(中略)

─つまり、若手の外科離れを食い止めるには、待遇なり報酬なりを改善すべきだろうと。

幕内 そう。やっぱり外科は大変なんですよ。私の部署は今だって、多いときは月230時間とか手術しているよ。毎日10時間くらいの手術時間になっている。これで、給料は他科の医師と同じ。この実情を見たら若い人は希望しない。

 日本の外科医には“アメリカンドリーム”がないんです。私の友人の米国の外科医なんて、ビバリーヒルズに豪邸を構えてフェラーリ13台持っているんだよ。日本は技術がいくら高くても、それに見合った対価は支払われず、手術は誰が行っても同じ点数でしょう。逆に上手だと患者が集まって、疲弊するだけ。

(中略)

高山 多くの給料を払う病院には、いくら僻地でもちゃんと研修医が行ってますからね。

幕内 お金を払えるということは、病院の経営がいいんだろうけど。結局、臨床研修制度ができて、医師の確保にも市場原理が働いている。
(中略)
だって、私が東大辞めたときの給料、月給50万円にも満たないんだよ。司会の君より安いだろ?それでは人は動かないという時代になってるんだよ。


─そうなると、外科医の報酬増が外科崩壊の一番の対策になりますか。

幕内 それが若者には一番分かりやすいからね。

 だから日本も米国のように外科手術の技術料の仕組みを導入すべきだと思うよ。診療報酬のほかに各医師が自分の技術に見合う料金を設定して、手術を受けた患者から徴収できるようにすればいい。技術に見合った収入が得られるのだから、うまく手術をやろうというモチベーションにもつながるでしょ。保険外の料金だから、保険財政も圧迫しない。

─技術料を導入すると、「適切な医療を受けられない人が出てくる」という指摘もありますが。

幕内 よくそういう議論になるよね。だけど「適切な医療」って何?日本は既に医療の水準が高いわけだよ。超高度な医療も社会保障の対象にしていいのかっていう問題がある。国の社会保障は、国民が健康を維持できる一定レベルの医療を提供すればいいんだよ。でも、国民は社会保障の枠組みの中でも超高度な医療を求める。そんなことやってるから保険財政が破綻しちゃうわけ。

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 国手として日本の外科学でも非常に高名な医師と子弟で漫才しているわけじゃないと思うけど、「開業医=いい暮らし」とはとても思えないんだけど(在宅の患者さんを複数担当して、お看取りしている先生とか本当に大変そうですが・・・)ちょっと現場を離れている立場からすると、この発言は・・・自分たちが原因になっているという意識がないのかもしれないなぁと思いました。
 
>私の部署は今だって、多いときは月230時間とか手術しているよ。毎日10時間くらいの手術時間になっている。これで、給料は他科の医師と同じ。
 
>私が東大辞めたときの給料、月給50万円にも満たないんだ
 
 というところで。毎月230時間働いたら、ちゃんと「残業代」支給したらいいじゃないですか?吉野家の牛丼チェーンの時給1000円としたら23万円。深夜割増なら1500円といったところでしょうか。月給50万円未満だったとしても、ちゃんと割増でもらえるようにしなくては、部下はもっと悲惨な待遇のままだったのではないでしょうか?。
 
 技術料はやはり国の政策変更を必要とします、その前にちゃんと労働賃金を払ってもらうように働きかけさえすれば、まだ崩壊しないで済んだんじゃないでしょうか?
 あと年休も確実に消化させればいいのです。
 
 熱血スポ根漫画がお笑いの対象となり、週刊マンガ雑誌からほぼ消え去った現在、医療界だけが「熱血スポ根奴隷生活」を部下に続けさせていると、相当覚悟ある優秀な若者しか来ないんじゃないかなぁ。
 
 若者を「お前を一人前にしてやるから来い」だけじゃなくて、働いた分しっかり労働賃金を支払わせて、学会に行ったり、優秀な医師ほど「休み」も与えるのならばいいでしょう。
 
 難しい手術をたっぷりして、疲れた体をひきずって「俺ら奴隷だから、金はもらえねーんだ」
 
 ってたら、たぶん、一般人らしく若手医師は、青ざめて「パス1」ってことになりませんか?
 
 仕事をたくさんするには、優秀な部下だけでなく、様々な人材を集める必要があります。部下にきちんと給料を与えず、教育という名の元にきっつい現場だけを体験させりゃ、それはついてけません(極めてM体質の医師のぞく?汗)。 

 現在の診療報酬の枠組みの中で、さらに技術料を上乗せで請求するには、財源をどこからか調達しないと目に見えるほどは変わんないと。
 
 ちなみに、アメリカじゃ専門医の数を絞り込んでいるから年々、給料が上がる仕組みではないそうです(きちんとした待遇であるのならいいことです、もちろん奴隷医がいないわけじゃないだろうけど・・・たぶん残業代すら支払ってもらえないでぴーぴー言わないような待遇だと思われ)。まぁ、Mayoクリニックは特殊かもしれませんが(たぶん)
 
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この本の一節を引用します

P201-202

 元メイヨー・クリニック最高経営責任者、ドクター・ロバート・ウォーラーは、医師の給料体系は「メイヨー文化の主要な原則」だと述べ、このために診療が患者のニーズを満たすためだけに行われるようになると考えている。
 メイヨーのすべての給料は一般的な給料調査を考慮して決められている。医師の給料は他の大学などの医療センターと一般開業医市場の両方からのデータに基づいている。給料管理の監督は外部理事だけを含む最高執行理事会の重要な機能である。メイヨーの医師は通常、市場価格に匹敵する額の給料を受け取る。
 また、内科医と外科医へのメイヨーの給料体系は、同じサービスを提供する医師のグループ内の給料を同等にするというシステムによりパートナーシップを促進する効果がある。
 はっきり言えば、一般外科医と内科医の給料は同じではない。彼らのメイヨーでの給料の差は、市場における差を反映している。また、介入心臓内科医師(注釈:PTCAなどをするインターベンション医師のこと)と非介入心臓内科医師も給与に差が有り、それぞれ市場ベースの給料を受け取る。
 メイヨーの方針にしたがい、新規採用された医師は毎年給料が増えていくが、5年目に限度に達する。したがってメイヨーでは、5年目の38歳の内分泌科医と、勤続32年目の62歳の内分泌科医の給料は同じだが、長期間勤めてきた従業員は、有給休暇が増える。また、メイヨー・クリニックの医師は、専任講師、准教授、正教授とだんだんランクが上がっていく。しかし、たしかにランクが上がれば名声も上がるものの、給与は変わらない.
 だいたいにおいて、メイヨー・クリニックの文化自身が、生産性を自己制御している。アメリカの職場管理の社会評論家アルフィーコーンはこう述べている。
 「卓越することが目標であるなら、とってつけたようなどんな激励も、その人の内部にあるモチベーションの力には太刀打ちできない。並外れた仕事をする人々は、報酬を得ることに喜びを感じるだろうし、その報酬がよければさらに喜ぶことだろう。しかし、彼らは給与のために働くのではない。彼らは自分の仕事を愛しているから働くのだ
 
 
 日本の大学は、今大変な状況です。大学は給料も役人が適当に給料の支払いを決め、労務管理も放置プレイ気味。
 そこへもって難しい手術の他の仕事(雑用)やら、実験まで回ってくるし、未来が約束されるとは限りません・・・汗。
 
 ま、そういう意味では下記のように準公的病院の医師がチーム丸ごと民間病院へ移籍したのは素晴らしいことかもしれません。え?良くない?
 患者さんは確かにお金が必要かもしれませんが、手術のあと雑居部屋よりは個室希望される方多いと思います。
 
 質のいい治療を最高の条件で提供するのなら医師は動きます。そしてこれが時代の流れなんじゃないでしょうかね?
 
 
☆ボールペン作戦が始まりました
 
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産科医五人引き抜き★九州   
  
  【福岡】「完全個室」病院開院のインパクト
RKB 福岡放送 2009/04/23
http://news.rkb.ne.jp/rkb_news/archives/012223.html

 

 来週、福岡市に新しい病院が開院します。場所はRKBの目の前なんですが、全ての部屋が個室という九州ではこれまでにないタイプの病院です。

 

 完全個室の豪華病院の登場は、地域医療のあり方そのものにも影響を与えそうです。3階部分まで吹き抜けのロビー。中央にはグランドピアノが設置され、さながらリゾートホテルのロビーのようですが、ここは、福岡市に来月開院する総合病院の待合室です。床は、病院では珍しいカーペット。医師や看護師の足音がしないようにという配慮です。

 

 そして最大の特徴は、199床すべての部屋が個室という点です。こちらのベッド。酸素や点滴を取り付ける医療設備は、普段は見えないように設計されています。お風呂やシャワー、トイレは全室に完備。ミニキッチンではお茶の用意もできます。さらに見舞いに訪れる家族や友人を想定しての応接室もあります。窓から見えるのはすばらしい景色。

 

 病院にいることを忘れさせてくれる空間です。金出病院長は、九大の元医学部長を経て、定年退職後、新病院の立ち上げに関わりました。

 

 これまでの経験を踏まえて、「これからの時代は、患者のニーズに合った設備が必要だ」と話します。一方、入院する際は、大部屋ではないため、差額ベッド代といわれる個室料金が必要です。

 

 料金は、部屋の広さに応じて1日8000円から4万円で、診療費とは別に患者が負担することになります。常駐する医師はおよそ60人。

 

 ここでは、人間ドックに代表される予防医学やリハビリ、婦人科系の疾患の治療などに特に力を入れる予定ですが、実は、この病院が開院することで、大きな影響を受ける病院があります。

福岡市の中心部にある、浜の町病院は、高度な技術が必要な腹腔鏡手術に優れ、子宮筋腫などの治療で、全国トップレベルの手術を年間およそ800件こなしてきました。

 

 この手術を担ってきた5人の産婦人科医が、福岡山王病院に移籍することになったのです。医師の確保はどの病院にとっても深刻な問題。

 

 浜の町病院の関係者は、「地域医療が崩壊し、影響は甚大だ」と話します。今後、ハイレベルの腹腔鏡手術を受けるには、福岡山王病院に入院しなければなりません。

 

 差額ベッド代が出せず、この手術をあきらめる患者が出ることが懸念されます。こちらは、同じグループが経営する東京の山王病院です。75の病室は当然「全室個室」。

 

 差額ベッド代は1日3万2,000円から13万6,000円で、福岡より3倍程度割高に設定されています。ここで出産するには、90万円から130万円の費用がかかりますが、常に9割のベッドが埋まってる状態です。

 

 施設だけでなく、食事のメニューも充実していて、好みに応じて選択できることも好評です。東京では、料金を支払っても快適な空間とより良いサービスを求める患者は少なくありません。

 

 福岡の病院では、出産費用は60万円から80万円程度と、確かに東京よりは割安ですが、決して安い金額ではありません。患者の経済力に応じて、受けられる医療サービスも変わる、そんな時代に入ろうとしています。

 

 よりよい環境で診療してもらえるなら、いくらお金を払ってもいいという人は確かにいるでしょう。しかし、差額ベッド代が払えない人はどこの病院へ行ってもよりよい治療が受けられない、というのは困ります。

 

 私たちの社会にはどういう医療のあり方が求められるのか、みんなで考える必要があります。

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■研修医募集中>http://www.kouhoukai.org/momochi/resident.html

 

↓去年の報道

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産婦人科医5人が辞職の意向

RKB毎日放送 2008/06/18

 福岡市にある拠点病院の一つ、浜の町病院の産婦人科医5人が、来年開業する民間病院に移籍するため、辞職の意向を示していることが分かりました。
 浜の町病院を今年度末で辞職する意向を示しているのは、産婦人科の医師8人のうち5人です。
浜の町病院の産婦人科は、腹腔鏡手術では全国でもトップレベルにあり、去年は子宮筋腫などおよそ800件の手術を執刀しています。
 関係者によると5人の医師は、来年5月に早良区に新しく病院を開業する医療法人からの誘いに応じたということです。
医師を派遣している九大の産婦人科医局によると、補充の見通しは立っていません。
 浜の町病院の安井久喬院長は、「5人辞めることになれば、福岡都市圏の医療体制に重大な影響を及ぼすので、現在慰留に努めている」と話しています。 

 

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コメント(2)

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2009/04/26 22:10

Commented by salmo さん

あなた達、自分のやるべき仕事わかってる?
って言いたくなるくらい他人事のような話をしていますね。
そりゃー後期研修医、集まらないでしょう。

 
 

2009/04/26 23:30

Commented by skyteam さん

salmo さん>
 なかなかそういった意味では厳しいかなと思います。誰もが自分たちの後輩を見る目は厳しくなりますが、しっかりと見れば、「奴隷」に甘んじてきた自分たちの軌跡をたどる人がいなくなっただけですからね。

 
 
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