いつもながら、日本医師会は「古い」ビジネスモデルを捨てられないようです。開業医の先生方の利潤の大半がが患者さんの「リピーター」需要によって支えられているのはわかります。
従来のやり方で行くと、薬漬け、検査漬けになってしまいがちで、開業と同時にCTやMRIといった高額医療機器を導入してアップアップ・・・という先生を知っていますが、こういった過重投資に見合うだけの高額な支払いを得られる時代は終わっています。
「騙されるな開業医は儲からない」というブログに[開業資金]2009-02-19の回があって、実態を読むとなるほどなぁ・・・です。勤務医向けの開業セミナーが流行っていたりしますが、廃業率も高くなっており、開業立地も減っていると聞きます。またクリニックモールも言うほどでもないようです。
これは不景気による「受診抑制」もありますし、医薬分業で薬価差益も減り、さらに高度医療については病院指向が高まっていることもあります。
そこにもってきて政府のやり方は気に入らん!「年金生活者にとって大変な負担だ」というのはわからないでもないのですが・・・いつまでも甘えていては、健康保険がもちません。保険料を引き上げるのはさらに企業や加入者の負担が増えます。そろそろ陳情ゲームは終わりです。
これまでの「出来高」中心のやり方を否定するつもりもないのですが、諸外国では開業医のビジネスモデルが変化しています。国が求めているのは在宅診療や夜間の急患のニーズにも少しは応えられる形になって行って欲しいのでしょうが、これまでのやり方を捨てて、そちらになかなか行けないのもわかります。
ただ、現状では日医の従来の戦略「弱者救済」の建前論では、ジリ貧だと思っています。なぜなら国民が日医に感謝するとは思えないからです。なにせ広報力、情報公開が弱いし・・・。
従来の「出来高」の制度が、すでに過去の物となっている証拠として、DPC病院や療養病床のように「定額」あるいは「包括化」されていること、むしろ無駄な検査や不要な入院をしないように、それでいて医療の質を上げるというのが時代の要請だと思います。
開業医の先生方にとって、診療内容まで一気に変えるのは難しいのですが、一人一人の患者さんとじっくり取り組めるという意味では、その患者さんにとって、ベストなケアを提供して行くことで医療費を節約したり、患者さんの薬や無駄な検査をしないで、病気の進行を防ぐ・・・そういう方向になっていくのが正しい21世紀型の医療かと思っています。
また、自分は、弱者救済という名の下に定額負担の導入反対というのはうんざりなんです。ある程度は「Copayment」は海外でも当たり前で、100円程度の負担が高齢者にとって痛みというのなら、医療費をどうやって節約するか代案を出すべきで、健康保険制度が破たんして困るのは開業医だけではなく医療界全体、ひいては国民全体の問題なのですが、民主党と同じく「改悪」だと「わめく」だけ。
日本医師会は医師の代表を名乗るのならば、医療制度改革の代案あるいは建設的な方向性のある医療の未来の姿を打ち出す必要を感じます(国も国民もそれを待っていると思います)。
たとえば薬。特許切れの薬「長期収載品」は自動的に「ジェネリック」になる制度。重複受診による複数の種類の薬については、薬手帳を見ながら不必要な薬を減らす。
たとえば検査。無駄な検査を削るというより基本的な検査もしないまま、患者さんに薬だけを出し続ける場合はちゃんと定期的に検査をすることで合併症を防ぐことも可能なはず。
そういう話がないのです。残念ながら。いずれ、日本医師会は民主党を支援するのか、昔の通り自民党とヨリを戻すか決めねばなりませんが、政権与党に寄りかかって昔の商売のまま自分の利益だけ守ろうとする姿を見せてばかりいると、国民の信頼を失いかねない・・・そんな気がするのですが。さて、どういうつもりなんでしょうかね。
海外に比べると受診回数がやたらと多いことは「フリーアクセス」の良さですが、何回も受診させているベネフィットについては語られていません。外来診療のきめ細かい指導で長寿を実現しているというのなら、今こそしっかりとした治療の成績を見せる必要を感じます。(ま、腕のばらつきも含めてもう少し考えて行きたい所です)
ちなみに海外ではこの分野は「疾病管理」「P4P」といったキーワードで語られます。未来ではなく、海外で開業医も医療の柱として活躍しています。今こそ、日本医師会に求められるのは自らの姿をきちんと見えるように存在感を示すことで、震災の時のように民間病院のやっている事にちょっかい(医師会を通したことにしろと圧力をかけたり・・・)を出したりそういった醜いことをしている場合ではありません。
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混迷 一体改革(下)社会保障 痛み避ける政治
日経新聞 2011/7/6
「年金生活者にとって大変な負担だ」――。6月8日、厚生労働省が社会保障改革原案を説明すると、日本医師会は真っ先に外来患者の定額負担の導入案に反対した。
新たな定額負担は、全ての外来患者が通常の定率負担に追加して100円程度を窓口で支払う仕組み。高額の医療費がかかる患者の負担を軽くする財源を捻出するため、患者全員が薄く広く負担する案だ。これに「高齢者の受診抑制につながる」と医療団体は反発した。
原案の柱は医療制度では定額負担のほか、70~74歳の患者の定率負担の引き上げだった。年金制度は支給開始年齢の引き上げの検討やパート労働者への厚生年金の適用拡大案を盛り込んだ。焦点は高齢化で膨らむ社会保障費をどう効率化し、支える現役世代の負担を和らげるか。必要性はだれもが認めるが、調整は容易ではない。
「選挙戦えない」
「こんな案では選挙を戦えない」。民主党が6月に連日開いた社会保障と税の一体改革調査会。出席者からは高齢患者の負担増の見直しを求める発言が相次いだ。
現在の窓口負担は現役世代が3割、70歳以上は1割。この70~74歳の負担を1割から2割に引き上げると原案は明記していた。だが、30日に決まった政府・与党の最終案は一転、「自己負担の見直し」とあいまいな表現になった。選挙が不利になると恐れる民主党議員の声が勝った。
原案を練った厚労省の30代の担当者は「最後は自分たちの頭越しで文案が決まり、中身は骨抜きになった」と嘆く。学習院大学の鈴木亘教授は「2割負担は政府方針として昨年決めた内容で、先送りする筋合いではない」と批判する。
基礎年金の支給開始年齢を65歳から68~70歳に将来、引き上げる検討は調整不足から入り口で行き詰まった。連合は「65歳まで働ける環境整備が先決だ」と警戒。経団連も「高齢者雇用対策の政府方針を確定するまでは検討を凍結すべきだ」と距離を置く。
給付抑制に暗雲
子育て支援や低所得者対策など給付拡充策も盛り込んだため、改革案を実施すると、社会保障費は公費だけで2015年度に現在より3.8兆円増える。効率化策で1.2兆円減らし、差し引き2.7兆円が必要になるとはじいた。これを消費増税でまかなうのが一体改革の骨格だった。
しかし与党が求めたのは給付拡充策だけで、最終案に残った給付抑制策は踏み込み不足。費用が膨らむほど消費税の引き上げ幅も大きくなる問題からは目をそらし、議論を棚上げした。社会保障を持続可能な制度にするという視点は抜け落ちた。
人口増が前提だった現在の社会保障制度を見直せば、高齢者への痛みは避けられない。それでも給付を効率化して支える現役世代の負担増を和らげるのが改革の目標だった。その実現に早くも黄色信号がともっている。
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Risfax【2011年7月6日】
受診時定額負担制度、ますます難産に
厚労省、民主党“政治主導”の「低所得者に配慮」にうんざり
政府与党がまとめた「社会保障と税の一体改革案」の中に、
厚労省保険局は7月下旬に、
この案では、
一方、政府の集中検討会議で、
受診時定額負担は、
まず「低所得者」の定義をどうするのか、線引きが難しい。仮に、
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